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高畑アクセス法律事務所



責任能力

弁護士会で、刑事責任能力についての研修があり、精神科医の説明を聴いた。
山本譲司の「累犯障害者」でも記述されているが、刑務所の中には、精神障害や知的障害により犯罪を繰り返す人たちが多い。その人たちの刑事裁判において、きちんと責任能力が争われているかというと、殺人や放火という重大犯罪は別として、窃盗や薬物犯罪だと見過ごされてしまうことがほとんどと言っていいだろう。
統合失調症という病名がつけば責任能力なしの可能性があるが、妄想性障害のレベルだと責任能力についてはほとんど問題にならないだろう。
恒常的な重い精神病であれば、責任能力なしということでやむを得ないだろうが、一過性の心神喪失状態で、しかも、それが自招行為だった場合はどうだろうか。
昨夜のニュースでNHKの森本アナウンサーが酔っぱらって痴漢行為をしたとして逮捕されたことの報道があった。これが病的酩酊として責任を問われないという結論になったら、世間は納得するだろうか。講学上の「原因において自由な行為」として有責にもならないだろうし。
by accesstakabata | 2012-11-16 08:46 | 弁護士から
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