犯罪白書によると、一般刑法犯の再犯率が過去最悪になったとのニュースに接した。
窃盗や覚せい剤など、もっともポピュラーな事件について、反復繰り返されるケースが多いのは、今に始まったことではないが、社会が余裕を失っているいまは、これらの刑余者を包み込む度量を失っているから、なおさら更生が難しいのだろう。刑務所の中では優等生でも、社会に出たとき何をするか、何ができるのか、援助のない人が多いのが実情だ。中年を過ぎて、刑務所とシャバの往復をしている人に、口で立ち直りを訴えても、それを実現する道筋を示すことは難しい。その結果が、孤独な高齢者であふれる刑務所ということになっている。