インドの下層カーストで生まれた女性が10歳で結婚させられ、虐待を受け、盗賊に誘拐され、自ら盗賊になって虐待した男たちに復讐するノンフィクション。
この本が単行本で出た頃、A弁護士が読んでいたとき、「文庫本にでもなったら読んでみるさ」と言ったことを覚えている。で、文庫になっていたので、読んでみた。
人は、いつの時代に、どこで、どういう性別で生まれるかを自ら選択することはできない。プーランは、現代のインドの片田舎、カースト制度の身分差別が頑迷に残っている地域で女性として生まれたが故に、悲惨な虐待に遭い、盗賊になって初めて、人間らしさに出会った。文字の読み書きも満足にできない彼女が、自分も人間だということを訴えるこの自伝は、話しの展開が早すぎて追いつけないが、一読の価値はある。
プーランは、後に国会議員になったが、暗殺されたという。