石原前都知事の「都による尖閣諸島の買収宣言」に端を発して、野田内閣が国有化したところ、中国がこれに猛反発して、中国艦艇の領海侵入が度重なる事態が続いていたが、昨日は中国の航空機がはじめて「領空侵犯」をした。北朝鮮のミサイル発射に続き、きな臭い事態である。
中国政府は尖閣は中国の固有領土であり、日本こそ、先の戦争の侵略による加害を反省せずに、侵犯しているのだと主張し、21世紀の今、日中の国力は逆転し、経済でも軍事でも日本に負けるわけがないと自信を見せている。
石原、野田の愚言・愚挙が、今日の緊張状態を作っていることは明らかだが、この緊張状態に際して、安倍・石破のタカ派自民党は、尖閣に自衛隊の派遣をすることも視野に入れているという。そんなことをしたら、日中の武力衝突という最悪の事態も杞憂ではなくなってしまう。
今や中国はアメリカをしのぐ日本の最大貿易国であり、今後も中国との円満な関係なしに、日本の平和と安定を図ることは不可能だろう。中国が将来的にはアメリカをしのぐ世界最大最強の国になることを予想して、どう対処していくことがベストなのかを考えなくてはいけない。
パックス・アメリカーナはいつまでも続かない。日本がアメリカに頼り従属し、東アジア諸国と険悪な関係になることはもっとも避けなくてはいけないことだろう。