アメリカの小学校で銃の乱射事件が発生し、26人が犠牲になったという。一方で、中国では包丁を持った男が小学校に侵入し、20人余りが切りつけられたという。それぞれの事件の動機、背景はわからないが、社会の中に憤怒を隠して爆発の時をうかがっている人がいることは怖いことだ。
アメリカは銃の所持が自由な国なので、ときどき銃の乱射事件が起きる。自暴自棄になった人が銃を乱射するなどして暴れ回れば、すぐに多数の人が「虐殺」されてしまう。日本での小学校侵入事件といえば、宅間守の大教大付属小学校事件を思い起こすが、彼がもし銃を持っていたら、被害はもっともっと大きくなっていただろう。
戦時中、日本でも、一人の男が一晩で30人の村人を殺害した「津山三十人殺し」という事件があった。横溝正史の「八ツ墓村」のモデルになった事件で、都井睦雄という犯人は肺病を病み、村人たちから忌避されていたのを怨んでの犯行だったという。閉塞の社会状況は現代に似通っており、同種事件が起きないことを願うばかりだ。