私の司法修習同期で国会議員になっているのは、極めつきの右翼と言ってよい稲田朋美氏と西村眞悟氏だけである。また橋下徹大阪市長も弁護士資格を持っている。彼らの発言を聞いていると、ホントに憲法を勉強したのかと疑いたくもなる。
逆に言えば、司法試験を受けて憲法を勉強したからと言って、憲法的価値を尊重する立場に立つものではないことは、彼らの言動をみればわかることである。司法試験に合格して法曹資格を取得し、さらにそれをステップに権力を目指そうとする彼らにとっては、憲法は邪魔者にしか見えないのだ。
憲法9条や憲法25条を目の敵にするような権力者に、この国の将来を委ねるなら格差と貧困は底なしに拡がっていくだろうし、社会は不安と不信に迷い込んだものになってしまうだろう。
中国や韓国、北朝鮮との軋轢をどのように避けて友好関係を築いていけるのかを最大限追求していくことは経済的利益にもつながることであり、それこそが今、為政者には求められているのに、閉塞状況にある一部の国民の不満のはけ口に、近隣諸国を悪者にして悪罵を投げつけるのを「愛国者」というのなら、もはや「愛国」に道義も道理もないということになろう。