今日は午後から、高畑駅周辺で、野田・荒子九条の会がはじめて、街宣行動を行います。
私もマイクを握るので、少し、話す内容をまとめておこうと思います。
ご通行中の市民の皆さん、私たちは、平和憲法を守ろう、憲法9条を守ろうという運動を続けている地域の市民団体「野田・荒子9条の会」です。
もともと9条の会は、ノーベル賞作家の大江健三郎さんや井上ひさしさん、沢地久枝さんらが呼びかけて発足したもので、全国各地に地域や職場で平和憲法を守ろうという趣旨に賛同して行動する「9条の会」ができています。
市民の皆さん。昨年、自民党はまだ野党であったときに、憲法改正草案を作成しました。もともと自民党は、今の憲法を目の敵にして、チャンスがあれば、いつか憲法を変えて、日本を戦争のできる国にしようと企んできました。昨年の改正草案が出されたときは、憲法の価値をわきまえない、こんな時代錯誤なものをよくつくったものだと馬鹿にしていてもよかったのですが、昨年末の衆議院選挙で、民主党が大敗して、自民党は得票数が増えたわけではないのに、小選挙区制という制度に乗っかり、議席数を大幅に増やして、政権に復帰しました。
しかも、そのときの自民党の総裁は安倍晋三です。皆さん、安倍という人は根っからの改憲論者です。それだけではありません。安倍さんのおじいさんは昭和の妖怪と言われた岸信介です。岸さんというのは、戦時中、日本が実質的に植民地としていた満州の経営にあたっており、A級戦犯で逮捕された経歴の人です。A級戦犯で逮捕されながら、復権して総理大臣となり、60年安保を強行した人です。安倍首相は、このおじいちゃんである岸信介のDNAを忠実に引き継いでいる人です。
市民の皆さん、安倍首相は、7月に行われる参議院選挙の争点として、憲法改正を掲げています。今度の選挙結果いかんでは、憲法改正が現実のものになるおそれがあります。
皆さん、憲法が時代に合わないというのであれば、それは変えてもいいのではないかと思われるでしょうか。しかし、どのように変えようとしているのかをしっかりみる必要があります。
安倍首相の狙いは憲法9条を変えて、自衛隊を国防軍にして海外でも戦闘ができる軍隊にすることです。憲法9条が定める戦力不保持、交戦権の否認が邪魔でしょうがないのです。しかも、皆さん。いきなり憲法9条を変えようとすると、抵抗が大きいと思ったのか、まず憲法96条を変えようというのです。
憲法96条は、憲法改正の手続きの条項です。今の憲法は、衆議院、参議院それぞれで総議員の三分の二以上の賛成で、国会が発議し、国民投票の過半数の賛成で改正が認められるというものです。これに対し、自民党の改正草案は、衆議院、参議院のそれぞれ過半数で改正の発議ができるようにしようというのです。皆さん、憲法改正に特別な要件を定めてあるのは、時の政府、権力者が、自分たちの都合に合わせて安易に憲法を変えてしまわないようにするためです。安倍首相は、憲法の意味、憲法の価値を知らずに、ただ、権力者である自分の都合のいいように変えてしまおうとしているのです。
そもそも安倍首相は、まじめに憲法を学んでいたのでしょうか。安倍さんの学歴をみますと成蹊大学の法学部卒となっています。成蹊大学といっても、名古屋ではなじみがないかも知れませんが、東京にあるちょっと有名なお坊ちゃま大学です。おじいさんである岸信介やおとうさんである安倍晋太郎さんは東京大学を出ているのですが、安倍首相は、中学校、高校、大学と成蹊学園というお坊ちゃまの通う学校に通い続け、受験勉強などとも縁がありませんでした。法学部は出ているのですが、この前の国会の質疑で、民主党議員から「芦部信喜、佐藤幸治を知っているか」と聞かれて、そんなの知らないと答えたのです。
皆さん、芦部という人は東大の、佐藤という人は京大の憲法の先生です。安倍首相は私と同世代であり、この時代に法学部で多少なりとも憲法を学んだのであれば、芦部も佐藤幸治も知らないというのはあり得ません。安倍首相は、親の敷いたお坊ちゃまコースを大学までのほほんと進んで、勉強もしなかったのではないかと疑われます。そんな人が、憲法改正を叫んでいるのです。
ご通行中の市民の皆さん、そもそも憲法は、国民の基本的人権をうたいあげ、国家権力の横暴を許さないためのものです。日本国憲法99条で、憲法尊重、擁護義務を課しているのは、「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員」となっており、国民が名宛人になっていないのは、憲法というもののの性格を考えるのに重要なところです。安倍首相は、もともと今の憲法を尊重する意思が全くなく、これをおもちゃのように自分の好みに変えようとしている点で、憲法違反の人物と言えます。
皆さん。今、まさに憲法の危機です。憲法12条は「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない」と規定されています。まさに、いま、この不断の努力が試されています。
憲法を守りたい、平和憲法を続けたいと思っている皆さん、私たちと一緒に学習しませんか、行動しませんか。野田・荒子九条の会は、憲法を守りたい、戦争で人を殺し、人が殺される社会をなくしたいという思いで活動しています。私たちと一緒に活動しましょう。お騒がせして申し訳ありませんでした。