小津安二郎監督・笠智衆主演の「父ありき」。
笠の子ども役が佐野周二。
笠は教師だが、子どもの海難事故を機に教師を辞し、民間会社に入社。子どもは寄宿舎暮らしで大きくなって
教師に。父と同居したいと思っていた頃に、父が突然死するという話。
同監督の最初のトーキー映画「一人息子」。
主演が飯田蝶子で、笠は蝶子の一人息子の教師役。子どもを上の学校にやることに難色を示す蝶子にこれからの時代は上の学校に行かないとどうにもならんといい、笠も上京するが夢破れ・・という話。
「紀子三部作」に食傷気味だった私にとってみると「一人息子」は、まあまあ見ることができた。
笠智衆といえば、私の時代では、枯れた老け役専門であったが、これらの役どころでは、しゃべり方はすでに老けた時と同じようなものだが、姿形は現役であある。それで気づいたことは、笠智衆の若い頃は、イチローにそっくりだということ。とくに、無精ひげを生やしてた頃と比べたら、見間違うこと請け合いである。