名作の誉れ高い内田吐夢監督・三国連太郞主演・水上勉原作の映画「飢餓海峡」。
京都の文化博物館で上映するという情報を得て、やってきました。ちょうど「インカ帝国展」というのをやっていて、昼前に行くとかなりの混雑。ミイラ5体が展示されていたり、マチュピチュ遺跡の3D映像など見応えがある。
しかし、私のお目当てはあくまでも「飢餓海峡」。12時半過ぎにフイルムシアター前に行くと早くも開場を待ちわびる列。上映時間前には170席の会場は満席となり、立ち見(しゃが見?)まで出る人気。還暦の私よりも上の世代の観客が大部分で、男性が7割ほど。
3時間の長丁場に加えて、私の並びでちょっとヒジョーシキなオッサンがいて、少し興が削がれたが、時間を掛けて京都まできた甲斐はあった。
水上勉が、青函連絡船洞爺丸の沈没と岩内の大火事に着想を得て、敗戦直後で日本がまだ貧しい時代に、極貧に生まれた男女のわずかな交接と悲劇を描いた名作。
三国連太郞は素晴らしい。左幸子も田舎出の薄幸女を演じて過不足がない。まだ青二才の高倉健演じる刑事はもう少しガンバリマショウといったところか。
私が20代のころにTVドラマで山崎努と藤真利子のコンビでやっていたドラマも印象に残っているが、やはり映画館でみるこの映画は格別である。