昨日は広島の原爆忌。
公会堂で映画「ひろしま」の上映会があるというので観に行った。
私が生まれた1953年に製作されたモノクロ映画。
日教組が教員一人ひとりからカンパを集めて作ったもので、当時の邦画五社から締め出しを食らったため映画館で上映されることはなく、教員たちが自主上映して回ったという幻の映画である。
米ソ対立の下、朝鮮戦争が勃発し、後に自衛隊となる警察予備隊の編成などの社会背景から、再軍備反対を明確にした生硬な映画で、原爆投下後の地獄絵図をかなり正確に表現しており、胸を突く。
岡田英次、月丘夢路、山田五十鈴など一流の俳優が出演しているが、私の中では老人役しか知らない加藤嘉のまだ若い時の熱演が目を引いた。
決して名作ではないし、商業ベースの映画館にふさわしい映画ではないが、原爆の惨さを伝える力作であることは間違いない。
原案は長田新の「原爆の子」。新藤兼人監督が映画「原爆の子」を作っているようなので、こちらのほうも一度観てみたい。
思い返してみると大学1年の時に、「原爆の子」や西嶋有厚の「原爆はなぜ投下されたか」、峠三吉「原爆詩集」などを読んでいたなぁ。もう40年以上も前のことか・・・。