「Gyao」のサイトで現在無料放映中の今村昌平監督「にあんちゃん」。
日本の炭鉱が斜陽化していく頃の、九州の炭住で生活している在日朝鮮人の貧困とそれに負けない子どもたちの生き様を描いている。
私が子どものころにも、九州の炭鉱で働いていた人が閉山により当地に移住し、子どもが転校してきた例があった。その子の苗字が2回も変わったこともうっすらと覚えている。
社会構造の変化に取り残されて、弱い者が、さらに追い詰められてゆくことが描き出されている。
長門裕之や松尾嘉代、吉行和子がめっちゃ若い姿で出演しているが、この映画では何と言っても、業突く張りの朝鮮人老婦を演じた北林谷栄が秀逸である。
もっとも主役は、「にあんちゃん」とその妹の兄妹であり、昭和30年ころの貧しさとそれに負けない強さが印象的である。
「Gyao」もたまにはいい映画をアップするので見逃せない。