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高畑アクセス法律事務所



映画「キューポラのある町」

今池の名画座「キノシタホール」で、吉永小百合の出世作「キューポラのある町」を見てきた。
今村昌平と浦山桐郎の共同脚本、浦山の初監督作品だそうだ。
50年以上前のモノクロ映画で、鋳物工場のひしめく埼玉県川口市を舞台にして、
貧しいながらも懸命に生きようとする少女ジュンと弟タカユキの物語である。
吉永小百合はあまりに天使のようで、場違いな配役という気がする。
父親が東野英治郎でいかにも昔気質のわからずやの職人というはまり役、
組合活動をする若者が浜田光夫だが、不似合である。
脚本は60年代初頭の貧しさとそれでも明日に希望があるという時代をうまく表現している。
その頃始まった在日朝鮮人の北朝鮮帰還運動を肯定的に描いている点は、今からみればハズレだっただろう。
成績がよくて、本当は進学校に進みたいジュンが、家庭の事情で就職し(日立武蔵工場)、定時制高校へ進学するというストーリーだ。
原作は早船ちよ。中学か高校の時に原作を読んだ記憶がある。
私の世代よりは6~7年前の話だが、私と同時代でも経済的事情で定時制高校に進む子はいた。
私の母校である明和高校にも定時制があり、私は図書部で、図書館の主のような顔をして朝から晩まで授業以外は図書館にいた。
いつも、定時制の生徒が来るまで部室にいて、図書室のカギを定時制の子に渡してから帰宅することを続けていた
ホントに真面目で明日を見つめていた定時制の生徒の皆さん、
その後、お会いしたことはないが、どういう人生を送られたのだろうか。


by accesstakabata | 2014-03-16 17:51
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