弁護士会の相談センターでの労働相談が急増し、日曜日に急遽増設ということで、今日は私が担当をした。
5枠の相談がすべてうまっていて、そのうちの一つが典型的な派遣切りだった。
昨年の10月から11月にかけて、東北や九州の求人誌に自動車関連の派遣会社が求人広告を出し、それに応募してきた20代の若者が3人揃って、相談に来た。
2月までは研修ということで、見習仕事をさせられていたが、2月以降、派遣先がなくしばらく自宅待機ということで、寮で退屈していた。その後、いきなり社会保険労務士から離職手続の書類が来て、いったいどういうことかと尋ねると、3人それぞれ「一身上の都合で退職届が出されている」という。そんなバカなと件の退職届をみてみると、同一筆跡で会社が偽造したことがバレバレ。会社の社長にどういうことかと尋ねようとしても、雲隠れして顔を見せない。まあ、会社としても、求人広告を広く出して、求人したものの、派遣先がなくて困ってしまったという事情はわからないでもないが、そのことを労働者に打ち明けもせずに、かってに退職書類を偽造して、離職扱いにするなんてことが許されるはずはない。警察にも届け出て、きっちり責任をとってもらおう。